【第4回】「心理的安全性」はなぜ低い? ハラスメントとEQ |岡山、広島、福山の人材支援、IT化支援の株式会社シーズ

【第4回】「心理的安全性」はなぜ低い? ハラスメントとEQ - 株式会社シーズ|岡山、広島、福山の人材支援、IT化支援の株式会社シーズ

【第4回】「心理的安全性」はなぜ低い? ハラスメントとEQ

(第3回から続く)

前回の記事では、「主体性」という「個」の育成課題とEQの関係についてお話ししました。 今回はより大きな問題である「組織風土」に焦点を当てます。

  • 「職場の『人間関係』がギスギスしており、ハラスメントが心配だ」
  • 「会議で誰も意見を言わず、新しいアイデアが出てこない」
  • 「報告や相談が遅れ、同じようなミスが多発する」

もし、自社の職場でこうした空気が蔓延しているなら、それは「心理的安全性」が低い状態であり、この人材採用が難しい時代に、社員の貴重な「アイデア」や「定着率」を失っている可能性があります。

【この記事のポイント(目次)】

  1. ハラスメントの根源にあるもの
  2. 「心理的安全性」の土台も「EQ」
  3. 組織課題の解決は「可視化」から

1. ハラスメントの根源にあるもの

2022年からパワハラ防止法が中小企業にも義務化されましたが、「ルールで縛る」だけでは、根本解決にはなりません。

ハラスメントの背景の一つとして、指導する側の「感情のコントロール」の問題が挙げられます。 これはEQの「②自己の統制(アンガーマネジメント)」の課題です。

  • (指導):「このミスは〇〇が原因だ。次からこう改善しよう(事実と改善策)」
  • (ハラスメントと受け取られかねない言動):「なんで、こんなこともできないんだ!(感情・人格否定)」

EQが高い人は、「怒り」を感じないわけではありません。 「あ、自分は今、イライラしているな」と 客観的に認識(自己の認知)し、その感情を「相手を攻撃する」という形で爆発させる前に、一呼吸置けます。 この「自己の統制」こそが、ハラスメントを未然に防ぐ重要なスキルなのです。

2. 「心理的安全性」の土台も「EQ」

「心理的安全性」とは、「このチーム内では、自分の意見や素直な感情を安心して発言できる」と信じられる状態を指します。 これは単なる「仲良しクラブ」ではなく、「(関係性が壊れることを恐れず)仕事のためなら、率直な意見も言い合える」という健全な信頼関係です。

この信頼関係は、気合やルールで作れるものではありません。 土台となるのは、チームメンバー全員の「EQ」です。

  • 「共感性」・「他者の認知」(③ 他者の認知)

「Aさんの意見は自分と違う。でも、なぜAさんはそう考えたんだろう?」と、まず相手の立場を理解しようとする力。

  • 「自己の統制」(② 自己の統制)

自分の意見と違う意見が出た時も、感情的にならず、相手の話を最後まで聞ける力。

  • 「アサーション」(④ 他者の統制)

意見がぶつかっても、相手を打ち負かすのではなく、「着地点」を見つけようと建設的に対話できる力。

 

これらEQの素養が欠けた組織では、心理的安全性は高まりにくいのです。

3. 組織課題の解決は「可視化」から

「ハラスメント」「心理的安全性の欠如」。 これらの組織課題の根源は、社員一人ひとりの「EQ」と深く関わっています。

大切なのは、まず自社の「現在地」をデータで知ること。 「うちの管理職は、他者理解が足りない気がする」 こうした「勘」や「印象」だけで研修を打つのではなく、「EQI」で組織診断を行い、「どの部署の、どのEQ素養が、組織のボトルネックになっているのか」を客観的に「可視化」することから、すべてが始まります。


【この記事を読んで、自社の「組織風土」に課題を感じた方へ】

「ハラスメント」「心理的安全性」。これらの課題は、個人の「性格」ではなく、組織として「育成できるスキル(EQ)」の問題です。

適性検査「EQI」は、個人の特性を測るだけでなく、部署やチーム全体の「EQ(感情特性)」の傾向を分析し、組織開発に活かすことにも適しています。 「なぜ、あのチームは生産性が低いのか?」その答えが、メンバーのEQバランスに隠されているかもしれません。

▼組織開発・研修のための「EQI」の詳細はこちら
https://www.okajob.com/EQ/


【採用に関する課題を、幅広くご相談されたい方へ】

私たちシーズは、アセスメント(適性検査)のご提供だけでなく、岡山・広島の地で「オカジョブ」「ヒロジョブ」を運営し、新卒採用から中途採用、IT化支援まで、企業の人事課題をワンストップでサポートしています。

「まずは何から手をつければいいか分からない」「採用全般について相談したい」 そんな人事担当者様は、まずはお気軽にこちらのフォームからお問い合わせください。

▼シーズの総合お問い合わせ(採用・IT化・研修など)はこちら
https://www.seedsjp.com/inquiry/contact/

(次回の予告) 最終回となる第5回は、「採用」と「育成・組織」を繋ぐ「人的資本経営」という未来の視点について解説します。